なぜパソコンは思い通りに動かないのか

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第0講 シミュレータとしてのエクセル

最終的な目的

ミスが生じにくく拡張性が高いシミュレータを作ること。

シミュレータ機能として使用する上で最も重要なのは、計算ミスをしないことです。また、シミュレーションにおいては、前提条件が変更されることが少なくないので、拡張性の高いものを作る必要があります。

要点の整理

実際に作成しながら学習をする前に、まずは要点を整理しておきました。わかっていることもあれば、はじめて聞くこともあるかもしれませんが、一度目を通していただくとよいと思います。

シンプルなシートを目指す

ミスが生じにくく拡張性が高いシートを作ることが目的ですので、シンプルで見やすいシートを目指します。複雑な関数を組み合わせたりするのはそれ自体でNGです。

同じ機能であればできるだけシンプルに作成し、少し劣った機能になるとしてもシンプルさを重視する、といった姿勢が大切です。

数字の色分け

シミュレータとしてエクセルを使用する場合は、計算式を多用することになります。このため、どのセルが計算式で、どのセルが自分で入力したセルなのかがわからなくなりがちです。

そこで、計算式と自分で入力した数字を区別するために、文字の色を変える場合が多くあります。

本来はセルの色を変えたり、斜体や太字にしたりして区別をしてもよいのですが、慣習として文字の色で分類することが多いのでそうしておきましょう。エクセルは互換性の高さがウリですから、他人と違うことをするのは得策ではありません。

具体的には、計算式が入っているセルは「黒い文字」、自分で入力した数値は「青い文字」、他のシートへのリンクなどは「緑色の文字」、注意書きなどは「赤い文字」にしておくとよいでしょう。

関数の変数は外に出す

エクセルの関数は、変数と呼ばれる項目をいくつか含めて使用します。この変数は、直接入力することもできれば、ほかのセルを参照することもできます。

ただし、直接入力してしまうと拡張性が下がってしまうので、原則として関数の変数はほかのセルを参照して作成します。

こちらについては、文字で説明するよりも実際にやってみたほうがわかりやすいので、少しだけ念頭においていただくとよいと思います。

サイズや配置の統一

エクセルでは多数の行や列に数字が詰まっています。数字の誤読のミスを防ぐ意味で、数値がきれいに縦一列、横一行に並んでいるほうが良いのです。

このため、エクセルではフォントサイズは原則としてすべて統一し、列や行の幅も均等にしておくのが好ましいといえます。